○印西地区消防組合通信規程
平成26年6月3日
本部訓令第9号
印西地区消防組合通信規程(平成15年本部訓令第5号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 消防通信の原則(第6条―第8条)
第3章 災害通報の受報及び出動指令(第9条―第13条)
第4章 有線通信(第14条・第15条)
第5章 無線通信(第16条―第25条)
第6章 支援情報(第26条―第29条)
第7章 管理(第30条―第35条)
第8章 雑則(第36条・第37条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、火災、救急、救助その他の災害(以下「災害」という。)の対処及びその他の消防業務を迅速、かつ、的確に処理するため、消防通信の運用及び管理について必要な事項を定めるものとする。
(1) 共同指令センター 千葉市中央区長洲1丁目2番1号千葉市消防局内にあって、災害通報の受報、災害情報の収集及び伝達、印西地区消防組合消防車両運用規程(平成16年消防本部訓令第5号。以下「運用規程」という。)に基づく消防隊の出動に対する指令及び部隊運用に係る有線設備又は無線設備を使用した通信による管制に関する業務を行うちば消防共同指令センターをいう。
(2) 指令管制員 共同指令センターにおいて、災害通報の受報、出動指令、通信統制及び情報の収集伝達(以下「指令管制業務」という。)に従事する職員をいう。
(3) 通信勤務員 消防本部及び消防署において、災害通報の受報、出動指令の受令、消防車両の動態の登録又は変更その他通信業務(以下「通信業務」という。)に従事する職員をいう。
(4) 消防通報用電話 電気通信番号規則(平成9年郵政省令第82号)第11条第3項に規定する電気通信番号で共同指令センターに災害を通報する電話をいう。
(5) 消防通信 災害時又は消防活動上必要な通信で、次に掲げる通信をいう。
ア 災害通報 災害が発生し、又は発生のおそれがあると認められるときに消防通報用電話、消防機関に設置された加入電話(公衆回線に接続されている電話をいう。以下「加入電話等」という。)、駆付け等により通報される通信
イ 指令 共同指令センター及び消防本部(以下「共同指令センター等」という。)から発する消防隊(消防器具を装備した消防吏員の一隊をいい、消防ポンプ車隊、救助隊、特殊車隊、救急隊の総称をいう。以下同じ。)の出動に関し指示命令をする通信
ウ 現場速報 災害活動に従事する消防隊から共同指令センター等へ通報される当該災害の状況、活動内容等に関する通信
エ 支援情報通信 共同指令センター等から災害活動に従事する消防隊へ災害活動に必要とされる支援情報(災害活動を迅速かつ的確及び安全に遂行するため必要な情報をいう。以下同じ。)を伝達するための通信
オ 業務通信 共同指令センター等、消防署又は消防隊から警察、海上保安庁、電力、水道、ガス事業者、鉄道事業者その他の関係機関(以下「関係機関」という。)に対し、災害に関する情報を通報するための通信
カ 消防情報通信 共同指令センターから発せられる災害の推移状況、活動内容その他消防活動上に必要な情報を通知するための通信
キ 通常通信 災害以外の消防業務に関し行う通信
(6) 通信指令設備 有線設備、無線設備、電源装置その他情報通信機器で次に掲げる装置をいう。
ア 指令管制装置 共同指令センターに設置し、指令管制業務を行うための装置
イ 署所端末装置 消防署に設置し、災害の受報、災害情報の収集伝達、消防隊の出動及びその運用に係る有線及び無線を媒介とした通信を行う装置
ウ 情報共有端末装置 消防本部に設置し、災害情報の参照、指令管制員への災害地点特定支援、消防隊情報の表示、病院情報の表示、指令管制システムのデータメンテナンス、共同指令センターの指令台操作訓練等又は共同指令センター及び消防署間の連絡事項の送受信を行う装置
エ 指令情報出力装置 消防本部及び消防署等に設置し、出動指令書の出力、災害情報の参照、指令管制員への災害地点特定支援、消防隊情報の表示及び設定、病院情報の表示、指令管制システムのデータメンテナンス又は消防本部及び消防署間の連絡事項の送受信等を行う装置
オ 車両運用端末装置 消防隊の車両に設置し、当該車両の動態の登録及び変更、指令の受信、現場速報の送信、地図の表示、支援情報の検索等を行う装置
(7) 無線局 千葉県が千葉県市町村総合事務組合から事務を受託して整備し、及び管理する無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。ただし、受信のみを目的とするものを除く。
(8) 無線従事者 法第40条第1項第1号から第4号までに規定する資格を有する者で、無線設備の操作に従事する者をいう。
(9) 方面 消防系及び署活系において、使用周波数ごとに区分した区域をいう。
(10) 主波 方面ごとに使用する周波数として指定されたものをいう。
(11) 無線統制 無線通信の混信及び輻輳を防止するため、通信の制限を行うことをいう。
(12) 所属長 消防本部課長及び消防署長をいう。
(無線管理者)
第3条 無線局の管理、監督を行うため、無線管理者を置く。
2 無線管理者は、指揮指令課長をもって充てる。
3 無線管理者は、無線局の事務を掌理する。
(責務)
第4条 指令管制員及び通信勤務員は、法令を遵守し、通信指令設備の機能を十分発揮させるよう努めなければならない。
(目的外の使用禁止)
第5条 指令管制員及び通信勤務員は、通信指令設備及び指令管制業務又は通信業務上知り得た情報を災害活動その他消防業務以外の目的に使用してはならない。
第2章 消防通信の原則
(時刻の表示)
第6条 消防通信に使用する時刻の表示は、24時間制により行うものとする。
(通信順位)
第7条 消防通信の優先順位は、災害に係る緊急かつ重要な通信を優先し、原則として次に掲げる順序によるものとする。
(1) 災害通報
(2) 指令
(3) 現場速報
(4) 支援情報通信
(5) 業務通信
(6) 消防情報通信
(7) 通常通信
(指令管制員及び通信勤務員の遵守事項)
第8条 指令管制員及び通信勤務員は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 通信は、簡潔明瞭を旨とし、暴言、冗語等を交えてはならない。
(2) 通信内容に自己判断による注釈を加え、又はその内容を独断で処理してはならない。
第3章 災害通報の受報及び出動指令
(災害通報の受報)
第9条 指令管制員及び通信勤務員は、災害通報を受報したときは、災害の種別、場所、規模、傷病者の状況及びその他必要な事項を迅速かつ的確に把握しなければならない。
2 指令管制員及び通信勤務員は、災害通報を受報した場合において、必要があるときは、口頭指導に関する実施基準(平成11年7月6日消防救第176号消防庁次長通知)に規定する口頭指導に努めるものとする。
3 通信勤務員は、災害を覚知又は災害通報を受報したときは、直ちに共同指令センターへ通報しなければならない。
4 指令管制員及び通信勤務員は、業務中に管轄区域以外の区域に係る災害通報を受報したときは、直ちに当該区域を管轄する消防本部に通報しなければならない。
(予告指令)
第10条 指令管制員は、災害通報を受報した場合において、災害の内容及び発信場所等が判明したときは、消防隊の出動予告に関する指令(以下「予告指令」という。)を行うものとする。ただし、緊急を要する場合で、予告指令を行ういとまのないときは、この限りでない。
(出動部隊編成)
第11条 指令管制員は、災害通報を受報したときは、速やかに、運用規程に基づき災害に出動する消防隊の編成(以下「出動部隊編成」という。)を行わなければならない。
(出動指令)
第12条 指令管制員は、前条の規定により出動部隊編成が完了したときは、直ちに消防隊の出動に関する指令(以下「出動指令」という。)を行わなければならない。
2 出動指令は、原則として災害通報の覚知順に行うものとする。
(消防隊の動態等の掌握)
第13条 所属長は、出動部隊編成を行うため、消防隊の編成並びに位置及び動態を掌握するよう努めなければならない。
2 所属長は、所属消防隊の編成及び動態を共同指令センターに通知するものとする。
3 所属長は、所属消防隊の車両が災害活動中又は業務出向中における事故、故障その他の事由により出動不能となったときは、速やかに、その旨を共同指令センターに通報するものとする。当該事由が解消したときも同様とする。
第4章 有線通信
(指令管制装置の取扱い)
第14条 指令管制員は、次に掲げるところにより指令管制装置を取り扱うものとする。
(1) 災害通報の着信応答は、迅速かつ的確に行わなければならない。
(2) 消防通報用電話の着信応答時に必要があると認めるときは、通報者位置情報の照会を行い、通報場所の確認を行うものとする。
(3) 消防通報用電話で通報が途切れたとき又は通報内容が不明なときは、着信回線の呼び返し又は保留操作を行い、通報内容を確認しなければならない。
(4) 指令中に緊急呼出を行っている消防本部及び消防署があるときは、直ちにこれに応答しなければならない。
(署所端末装置の取扱い)
第15条 通信勤務員は、次に掲げるところにより署所端末装置を取り扱うものとする。
(1) 呼出応答は、迅速に行わなければならない。
(2) 指令管制員の肉声による指令を確実に受信したときは、直ちに確受操作を行わなければならない。
(3) 指令の内容が不明なときは、受信終了後に確認を行うものとする。ただし、緊急を要するときは、受信中でも緊急呼出を行うことができるものとする。
第5章 無線通信
(無線局の運用の原則)
第16条 無線局の運用は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 無線局は、消防通信の目的若しくは通信相手又はその範囲を超えて運用してはならない。
(2) 無線局は、常に最良の状態に調整し、他局が交信中でないことを確かめてから通信しなければならない。
(3) 前2号に規定するもののほか、無線局の運用は、千葉県消防救急無線管理運営規程及び千葉県消防救急無線管理運営要領の規定に基づき行わなければならない。
(無線局の開局及び閉局等)
第17条 無線局の開局及び閉局は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 基地局は、常時開局しておかなければならない。
(2) 消防系車載型移動局、消防系可搬型移動局及び消防系携帯型移動局(以下「消防系移動局等」という。)は、出動又は出向するときに開局し、帰署したときは閉局しなければならない。
(3) 消防系卓上型固定移動局は、有線回線が災害、故障その他の事由により途絶した場合に備え、通信勤務員の在庁中は開局しておかなければならない。
(4) アナログ消防系移動局は、アナログ消防系による通信が必要となる災害に出動したときに開局し、帰署したときに閉局しなければならない。
(5) 消防隊の長は、消防系移動局等を一時閉局するときは、共同指令センターに対して、連絡方法を明らかにしなければならない。
(通信状況の監視、聴取及び即応の義務)
第18条 指揮指令課長は、常に消防系移動局等及びアナログ消防系移動局の通信状況を監視し、適正な無線運用を行わなければならない。
2 開局中の無線局を運用する者は、常に通信状況を聴取し、呼出に即応しなければならない。
(主波の指定)
第19条 無線局(アナログ消防系基地局及びアナログ消防系移動局を除く。)は、別に指定する主波を使用するものとする。ただし、共同指令センター等から指示のあったとき、通信妨害その他の事由により主波での通信が困難な場合は、この限りでない。
(隣接応援出動時の主波の切替え)
第20条 消防隊は、隣接応援区域に災害出動するときは、千葉県消防長会が定める千葉県内隣接応援時における無線運用計画に基づき消防系移動局等の周波数を当該方面の主波に切替えるものとする。
2 前項の消防隊は、災害活動が終了し、災害現場を離れるときは、自己の方面の主波に切替えるものとする。
(無線統制及びその解除)
第21条 無線統制及びその解除は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 指揮隊長は、災害通信状況により必要があると認めるときは、無線統制を行うことができる。
(2) 指揮隊長は、通信状況及び災害状況の推移により、無線統制の必要がなくなったと認めるときは、速やかに無線統制を解除しなければならない。
(3) 指揮隊長は、前号の規定により無線統制を行うとき又は解除するときは共同指令センターに報告するものとする。
(無線統制の種別)
第22条 無線統制の種別その他の事項は、別表に掲げるとおりとする。
(指令管制業務の移行)
第23条 指揮指令課長は、必要と認めるときは、消防本部等において指令管制業務を行うことができる。
2 指揮指令課長は、前項の規定により、消防本部等において指令管制業務を行うときは、行おうとする当該指令管制業務の内容を共同指令センターに連絡しなければならない。
(無線局の通信要領等)
第24条 無線局の通信要領、無線略語その他の無線通信の運用に関し必要な事項は別に定める。
(通話試験)
第25条 無線局の通話試験に関し必要な事項は、別に定める。
第6章 支援情報
(気象等の情報)
第26条 共同指令センターは、必要と認めるときは、気象情報収集装置により取得した情報を速やかに出動する消防隊に提供するものとする。
(災害通報受報時の情報の収集及び伝達)
第27条 共同指令センターは、災害通報受報時の状況を把握し、必要な情報の収集に努め、災害活動中の消防隊に伝達するものとする。
(支援情報の提供)
第28条 通信勤務員は、災害活動の支援に必要な情報を収集したときは、共同指令センター等に提供するものとする。
2 共同指令センターは、前項の規定により支援情報の提供を受けたときは、当該支援情報が災害活動に際して効率的に行われるよう必要な措置を講じなければならない。
(支援情報の管理)
第29条 支援情報の管理は、別に定める。
第7章 管理
(指揮指令課長の責務)
第30条 指揮指令課長は、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)及び法の規定に基づく通信指令設備の設置、変更、移設その他運営事務を管理するほか、次に掲げる事項を管理しなければならない。
(1) 電気通信事業法及び電波法の規定に基づく監督
(2) 通信及び通信指令設備の障害の監視
(3) 通信指令設備の保全計画の策定及びこれに基づく障害の未然防止並びに改善、研究及び保守点検整備等
(4) 気象情報に関する事項
(5) 指令管制員に対する消防通信の運用に関する指導及び研修
(6) 消防通信に関する関係書類の管理
(7) その他消防長が必要と認めた事項
2 指揮指令課長は、通信指令設備の一部又は全部が使用不能となった場合に備え、対応措置を定めておかなければならない。
3 指揮指令課長は、回線障害等により共同指令センターで消防通報用電話を受信できなくなったときは、共同指令センター及び通信事業者と連携し、119番迂回用電話による受報体制を確保するものとする。
(所属長の責務)
第31条 所属長は、所属に配備された通信指令設備を適正に維持管理するものとする。
(1) 所属長は、職員に毎日1回以上、通信指令設備を点検させ、機能の保全に努めるものとする。
(2) 無線装置の点検は、原則として無線従事者に行わせるものとする。
2 所属長は、管理する消防署の商用電源が停止したときは、直ちに通信指令設備の電源を確保するものとする。
(故障等の報告及び措置)
第32条 指揮指令課長は、通信指令設備に故障又は異常が発生したときは、応急処置を講ずるとともに、共同指令センターに修理又は調査を依頼するものとする。
2 指揮指令課長は、通信指令設備に重大な損傷又は亡失事故が発生したときは、直ちに必要な措置を講ずるとともに、共同指令センターに報告するものとする。
(改修等の連絡)
第33条 指揮指令課長は、通信指令設備に影響を及ぼすおそれのある庁舎の改修、通信指令設備の移設その他の工事を行うときは、事前に共同指令センターに連絡するものとする。
(無線従事者の報告及び選解任)
第34条 指揮指令課長は、職員の無線従事者資格現況を常に把握しておかなければならない。
(無線従事者の任務)
第35条 無線従事者は、常に無線通信に関する知識及び技能の向上に努めるとともに、無線装置の適正及び効率的な運用を図るものとする。
第8章 雑則
(無線番号体系の把握及び報告)
第36条 指揮指令課長は、無線番号体系及び無線局呼出名称を常に把握しておかなければならない。
2 指揮指令課長は、無線番号体系に関する事項について、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに共同指令センターに報告するものとする。
(1) 無線番号体系を追加したとき。
(2) 無線番号体系及び無線局呼出名称を変更又は削除したとき。
(補則)
第37条 この規程に定めるもののほか、消防通信の運用及び管理に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
(施行期日)
この訓令は、公示の日から施行する。
附則(平成31年本部訓令第4号)
この訓令は平成31年4月1日から施行する。
別表(第22条)
無線統制
種別 | 状況 | 内容 |
全統制 | 地震等広域災害が発生し、全ての無線チャンネルの通信が輻輳する場合又は輻輳することが予想される場合 | 全無線チャンネルに対して統制を行うものとする。 |
無線系別統制 | 大規模災害又は同時多発災害が発生し、特定の無線チャンネルの通信が輻輳する場合又は輻輳することが予想される場合 | 無線チャンネルを指定して統制を行うものとする。 |
方面別統制 | 特定の方面に災害が集中し、当該方面の通信が輻輳する場合又は輻輳することが予想される場合 | 方面を指定して統制を行うものとする。 |
災害別統制 | 続発災害が発生し、災害現場ごとに通信が輻輳する場合又は輻輳することが予想される場合 | 災害現場を指定して統制を行うものとする。 |
部隊別統制 | 多数の消防隊が活動し、通信が輻輳する場合又は輻輳することが予想される場合 | 活動部隊を指定して統制を行うものとする。 |
その他統制 | 前各項に掲げる以外の要因で通信が輻輳する場合又は輻輳することが予想される場合 |
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備考
1 無線統制は、統制の種別及び通信制限の範囲等を明確にし、全無線局に周知させるものとする。
2 無線統制中は、共同指令センター、現場指揮本部及び指定された無線局(以下「指定無線局」という。)以外は、原則として通信を行ってはならない。ただし、次に掲げる通信は、この限りでない。
(1) 要救助者情報、危険情報及び事故報告に関する通信
(2) 災害通報に係る通信
(3) 消防隊の増強要請に関する通信
(4) 指定無線局から要求された通信
(5) その他緊急を要する通信